上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

ダッチワイフ

 トランプ氏が大統領になってから、盛んにフェイクニュースと言う言葉を聞くようになった。
 フェイクとは、fakeのこと。偽造する、偽造品、偽造の、と言う意味である。
 例えば、「a fake antique」とは、偽の骨董品。これは、新聞でも、よく見かける。
 以前は、フェイクニュースなら、信用しなければ良いでは無いか、単に無視すれば良いと、ごく簡単に考えていたが、どうも、最近、事は、そう簡単では無い、と気付いた。
 と言うのは、年末に、アメリカの航空宇宙局が、今年の正月は、スーパームーンであると、発表していた。
 日本だと、1月2日である。
 月が地球から356570Kmの距離まで接近するとの事。
 平均距離が、384400Kmだから、これは、随分と近い訳だ。
 ネットでも、スーパームーンについて、色んな報道がなされていたが、ふと、思った。
 まあ、これは本当のニュースだろうが、もし、フェイクニュースだとしたら、人々は、それを見破る事が出来るだろうか。
 ブログを閲覧したら、スーパームーンについての記事が載っていた。
 このブログの筆者達は、本当に、自分が、今、見てる月が、スーパームーンであると、自力で検証出来たのだろうか。
 いや、ただ、単に、ニュースで聞いたから、アメリカの航空宇宙局が言う事だから、正しいと信じて、外に出て、月を眺めただけだろう。
 これが、もし、嘘だったら、見事に騙されて、嘘の月に、何と素晴らしい事、と、アホ顔して、感動した事になる。
 翻って、ならば、私自身は、スーパームーンを検証出来るか?
 普通の人に比べれば、私は、アマチュア無線家だから、色々と高価な電子計測器を沢山、所有しているが、それは、月の距離測定には何の役にも立たない。
 だから、私も、自力で月の距離を検証は出来ない。不可能である。
 こうなると、これは、普段のフェイクニュースでも同じ事だ。
 その真偽を自分で検証する力を持っていなければ、一寸したフェイクニュースに、無抵抗に、ごく簡単に騙されてしまうと言う事である。
 フェイクニュースなんて、そんなものに、騙されることは有り得ない、と、私は、楽観的に、傲慢に構えていたが、現実は、そうで無かったのだ。
 偶に、新聞に電子工学関係、無線関係の記事が掲載されて、その誤りに気付いた事が、今までに、何度か、あった。
 私は、気付く事が出来たが、多くの人は、電子工学の知識を持っていない人は、気付かず、記事をそのまま、信じ込んだ筈である。
 ところが、経済関係の記事の誤りは、私には、指摘する能力は無いから、新聞に書いてある事を、そのまま信じるしか無い。  
 その経済ニュースが、もし、フェイクであれば、私は、見事に騙される訳である。
 これは、実に、困った事である。
 さて、全ての事を知ってる人は、この世に居ないから、どんな人も、余程、気をつけていても、知らない分野では、騙される事になる。
 ニュースの専門家などは、多数の新聞、多数の情報源を、常に、比較して、その真偽を判定しているらしいが、それでも、的確な判断は難しいようだ。
 その道の専門家が、その程度なのだから、我々素人は、殆ど手段が無い。
 まあ、口惜しいが、余り、うまい話には、乗らない、と言うのが、精々の防御手段だろう。 
 トランブ大統領は、新聞、テレビなどの主要メディアと、史上、初めて対決した大統領と言われているが、このメデイアが流す、フェイクニュースに、何処まで、彼は対抗出来るだろうか。
 大統領が勝つか、今までの無冠の帝王が勝つか、アメリカの民主主義は、関ケ原を迎えたのかも知れない。
 メディが流す、フェイクニュースをアメリカ国民が、信じてしまえば、トランプ大統領は、早々と、辞任する事になるだろう。
 しかし、幸いなことに、現代は、新聞、テレビだけが、主要メディアでは無い。
 インターネット言う、強力なメディアも登場したので、これにより、国民は、真偽を判定する、有効な基盤を持ったから、そうは、簡単に、フェイクニュースに騙されないと思う。
 もっとも、そのインターネットでさえも、フェイクで溢れているのは、既に、指摘の通りである。
 さて、別のフェイクの話。
 私が自宅を新築すると、翌年の春、市から税金の通知が来た。
 例の土地と家屋の固定資産税である。   
 その通知を、何かの折、既に、退職していた父に見せた。
 その通知を、父に見せる必要はあったとは思えないのだが、とにかく、実家に持って行ったらしい。
 それで、偶然、見せたのだと思う。
 父は、その通知を見た途端、すぐに言った。
「これは、間違いだ。こんなに税金が高い事は、あり得ない」
 翌日、父は、市の税務課に連絡して、簡単に話をつけてしまった。
 そうして、私に連絡して来た。
「市の方で、間違いました、と言っていたよ。その通知は破り捨ててくれ、と。また、正しい通知を、お前の家に、郵送するとのことだ」
 父の電話を聞き終わって、私は、思わず、ゾッとしたものだ。
 その通知を、偶然、父に見せたが、見せてなかったら、どうなっていたか。
 何十年も税金を払い続けたら、税金だから、間違っていても、ほんの僅かしか、返金されない。
 父は、仕事が税金関係で、言わば、税の専門家だったから、フェイクの通知を、瞬時に、見破る事が出来たのだ。 
 もう、一人前の大人になったつもりの、私だったが、それでも、なお、父に、明確に劣る自分自身を発見した事は、ひどく残念だった。
 しかし、私には、フェイクの税金に、対抗する能力が、まるで、無かったから、どうにも出来なかったのだ。
 さて、憎むべきフェイクだが、その全てが、困るかと言えば、そうでも無い。
 例えば、電子機器でも、安い中国製のフェイク基板の方が、価格対性能で言えば、優れており、こんな場合、中国製フェイク基板は大歓迎である。
 また、絵や、掛け軸なども、私のような庶民層には、フェイクで十分。
 ところで、ダッチワイフも女性のフェイク製品と言えるが、あれも、もし、高性能の製品が出来れば、本物の女性は不要になるかも知れない。
 いや、そんな事は有り得ませんね。ない、ない。
 女性だけは、本物に勝るものは、無いでしょう、と、私は思います。
 さて、女性がフェイクなる手法を用いて、より一層、美しくなる事に、私は、反論を微塵も持っていない。
 入念に化粧する事、大賛成である。
 生きている時、美しき女性に酔えるのであれば、女性のフェイクに異論など、ある筈もない。
 でも、そのフェイクにも、一つだけ、例外がある。
 それは、整形した顔、これだけは、頂けない。
 あるテレビ局の女性アナウンサー達、その番組で、みんな同じ顔をしている。
 恐らくは、整形手術した病院が同じだったか、或いは、コンピュータで美の輪郭を計算したら、皆、同じデータとなったか、それで、ともかく、あの顔になってしまったのでしょうね。 
 でも、いくら美しくても、個性の無い美は、美ではありません。
 さて、フェイク美人、生まれつき美人、どっちでも贅沢言いませんから、神様、どうか
、括れのある、美しき女性に、是非、逢わせて下さい。  
  
<あの、女性に騙された事はありますか?>
<無くは無いよ>
<差し支えなければ、教えて下さい> 
<クラブの女でね、誕生日でも無いのに、プレゼント欲しいって、嘘ついて来た。仕方ないから、プレゼントしたよ>
<じゃあ、大損しましたね>
<いや、プレゼントしたバッグは、ヴィトンのフェイクだったから、どうと言う事、なかったよ> 


俳句


ダッチワイフ 本物よりも 具合良し