上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

夫のパンドラ

 学生の頃、街を歩いていて、お年寄りを見かけると、今現在、自分は、こうして元気だけれど、80歳位になったら、身体能力などは、どうなるのかな、と、ふと考えた事があります。
 特に、身体が不自由で跛行して居る、お年寄りを見たりすると、決して、他人事とは思えず、古稀位になったら、どうなるのか、ひどく心配になった時もありました。
 さて、現実に、還暦を迎え、古稀を迎えてみると、余りと言うか、殆どと言うか、大した変化を感じていません。
 今のところ、大病はしていませんし、筋トレをしてる位ですから、身体的な能力は、何処も衰えを感じません。
 まあ、多少、腕力が衰えているのは、確かだと思います。若い時、ベンチプレスは、160キロ位ありましたが、恐らく、今は、100キロでも無理でしょう。
 でも、今更、ベンチを測定する気にもなりませんから、正確な値は、分かりません。
 測定した所で、何の意味もありませんから。
 若い時は、ベンチ160キロだぞと、女の子に自慢出来ましたが。
 さて、古稀になった現在、肝心の性的能力の方ですが、これも殆ど変化ありません。
 若い時、自分が予測したよりも、どうも、今の老人世代は、かなり体力的精神的に若いようです。
 私が子どもの頃、50歳の男は、もう、かなりのオジさんに見えたものです。
 腰が曲がって、杖を突いて歩く、お婆さんの姿を、あちこちの路地で見かけました。
 今は、そんな人、殆ど、居ないでしょう。
 やはり、生活環境が改善され、それが人々の健康状態に反映されたんでしょうね。
 とは言え、老化の状態が、はっきりと分かるのは、私の年齢まで、古稀までです。
 今後、80歳を超えたら、どうなるのかは、全く分かりません。
 まあ、心配の先取りは意味が無いので、それよりも、日々、若い美しい女性の事を考えるようにしたいと思います。
 さて、先日、前橋で交通事故がありました。
 85歳の男性が、女子高生2人を跳ねて、意識不明にした事故です。
 昨日、その補足記事を見たら、その人は、老人センターに行く途中だったとの事です。
 その老人センターに親しくしてる女性が居て、逢いに行く所だったそうです。
 相手の女性は、80歳位。
 妻が居る男性ですが、運転が危ういにも関わらず、その女性を送り迎えしたりするので、どうしても車に乗る必要があったとの事です。
 交通事故を起こしたのは、遺憾な事ですが、85歳でも、異性に対して、旺盛なる関心を有している事に、驚きと敬意を感じました。
 しかし、今回の事故で、この男性の運転免許は取り消しとなる事でしょう。
 そうすると、好きな女性の送り迎えも出来なくなりますから、この男性の、老いらくの恋は終わる事になります。
 それも一寸、可哀想ですね。
 それにしても、男性は、生涯に渡って、雄として、生き続ける様です。
 然らば、女性はどうか。
 大岡越前の挿話として伝えられているように、それは、女性も同じ事と思います。
「されば、女の道は」
 問われて、女答えるに、「灰になるまで」
 どうも、歳を取ったら、何でも衰退する、と言う訳でも無いようです。
 もっとも、それは、「大病をしない事」が、条件になると思いますが。
 父に負けず、私も、その95歳まで、果敢に生きたいと思うようになりました。
 退職してからは、もう、この先、余り、生きても仕方ない位に思って居たのですが、「老いて学べば、死して朽ちず」であり、この精神で生きれば、充実した日々を送れると、思い直しました。
 勿論、雄として生きるのは、言うまでもありません。
 単なる老人として生きるのでは、上州無線の哲学に反します。
 さて、新聞を捲ると、人生相談の欄がありました。
 読むと、60代の夫が亡くなって、夫の携帯を見たら、愛人や、風俗店の事が、沢山、記録されていて、妻は、大いにショックを受け、また、口惜しい思いをしているが、どう気持ちの整理したら良いか、と言う内容でした。
 これは、もう過去の事ですから、有効な方法なんて、ありませんよ。
 ええ、どうにもなりませんね。
 そもそも、貴女は、ですね、亡くなった夫の携帯を見るべきでは無かったのです。
 完全なマナー違反です。
 見たいのであれば、生前も見るべきだったのです。
 そうすれば、夫は、2台目の携帯を買い、それを秘密携帯にしたと思います。
 夫の携帯を見る事は、苦痛のパンドラの箱、それ以外の何ものでもありません。
 その妻は、何か楽しい事が、携帯に書いてあるかも知れないと、期待したのでしょうか。
 それは、余りにも愚かな事でしたね。
 どんな男も、死ぬまで、一匹の雄として生きる事が分かっていたら、この妻も、携帯を見るような事はしなかったと思います。
 実に、お気の毒ですが、残された奥さんが、その苦しみから逃れるには、その苦しみを忘れる以外、方法はありませんね。
 秘密の箱は、開けてはならないのです。
 例え、夫婦と言えども、です。
 まあ、見て良いのは、夫の貯金通帳位でしょう。
 でも、大した額は、残ってないと思います。
 ええ、愛人のため、風俗嬢のために使ってしまったからです。
 さて、長い人生の日々、ずっと、あたしを騙していたと怒る前に、一寸、考えてみて下さい。
 死ぬまで、愛人の事や風俗の事が、妻である貴女に、分からなかったのは、夫が、大変な努力をして、その事実を覆い隠していたからです。
 ですから、その涙ぐましい、夫の努力を、認めてあげる事です。
 もしかすると、その努力は、貴女への愛情だったのかも知れません。
 さて、夫婦に、永遠の恋愛感情、永遠の異性愛は存在しないように思います。
 現実的な話、妻に異性を感じるのは、20年位、50歳位までが、最高限度かも知れません。
 勿論、夫婦に依りますから、あくまで、大雑把な話です。
 まあ、死ぬまで、熱烈な恋愛感情が続けば、一番良い事ですが。
 夫婦には、あるとすれば、夫婦愛でしょう。
 大変困難な事かも知れませんが、夫が、愛人と会って、幸せであれば、それはそれで、夫が幸せならば、それでいいと思う方が良いかもしれません。
 夫婦の絆を、そのような観点から捉えておくのが、より適切なのかも知れません。
 とは言え、夫婦の在り方は、夫婦の数だけ、この世に存在すると思いますから、自分が納得するような、夫婦関係を追求するのが、最善だとは思います。
 でも、いずれにしても、夫のパンドラの箱は、開けない方が良いと思います。


<あの、夫の浮気を容認しなさい、と言う事ですか?>
<いや、強靱なる夫婦は、ちょっとした浮気位で壊れるものでは無い、と言いたかったんだ>
<亡くなった後も、夫のプライバシーは尊重した方が良いんですね?>
<そうしたほうがいいよ。私も、マリリンの写真を何百枚もパソコンに保存してあるけど、見て欲しくないよ>
<マリリンって、何ですか?>
<若い君は知らないだろうね。美味しいワインの事だよ>



俳句


死ぬ時は パソコン全て 破壊せよ