上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

見極め

 昨日、久し振りに工作をしました。
 最近は、もう、ずっと、アマ無線の工作もしてないので、何か作ってみたくて、かなりの欲求不満になっていました。
 もしかすると、男は、子供を産めないので、その代わりに、何か、物を作りたい本能があるのかなあ、何て思ったりもします。 
 いえ、これは私の、科学的根拠も無い、単なる想像です。
 作ったのは、下の写真1の洗面台の棚、右側に見えるもの、です。          
                                (写真1)

 浴室の洗面台は、置く物が増えて、ずっと、不便を感じていました。  
 でも、なかなか名案が浮かびませんでした。
 ところが、1週間ほど前、右側の壁に、棚を設置出来る余地を、偶然、発見しました。
 棚を作れば、便利にもなるし、久し振りに工作も出来ると言う事で、大変、嬉しい発見でした。
 写真1にあるように、三段の棚を取り付けました。
 これで、置く容量が増えたので、物を置く場所に悩むことは無くなりました。
 さて、工作ですが、棚板を、左側は棚受け金具で支え、右側は、長さ10センチの木片で、支えます。
 棚板は、15ミリの集成材ですが、とても頑丈で、手で押しても、少しも歪みません。
 集成材は、既に表面処理もしてあるので、カンナ掛け等、一切、何の手間も掛かりません。
 昔は、木工と言えば、手引きノコギリで裁断し、カンナ掛けをしたものです。
 今回、工作とは言っても、テーブルソーで、受けの木片を切った事と、ネジを打ち込んだ位です。 
 棚板を取り付ける時は、一応、水平器で水平を確かめながら、取り付けました。
 取り付けが終わったら、木工ボンドで接着します。
 写真2は、ボンドを塗った後、クランパーで固定し、更に、重しを載せてあります。
                               (写真2)

 重しは、筋トレで使う亜鈴と赤い金床ですが、こんな所で役立ってくれました。
 ところで、毎回、工作をすると、その終了までに、必ず、幾つかのミスに遭遇します。
 ミスが、一つも無かった工作と言うのは、今まで、記憶に無いです。
 今回は、右側の木製受けを、最下段ですが、1センチほど、ずれた位置に取り付けてしまいました。
 それと、ボンドを塗った後、クランパーで固定しましたが、クランパーの反対側が、少し浮き上がったまま、接着されてしまいました。
 クランパーで何かを締め付けると、他の部分が浮き上がるのは、よくあることなのですが、今回、またもや、うっかりしました。
 あとは、棚受け金具を棚板に取り付けるのに、4回失敗し、やり直しました。  
 最初の2枚が簡単にできたので、つい、3枚目も、クランプを使わずに、手で押さえたまま取り付けましたが、ネジ穴が動いて、曲がってしまいました。
 やっと、4回目に成功しました。
 でも、まあ、全体として、我慢出来る結果なので、満足することにしました。
 この、工作の結果に対する心構えは、実は、父親から学んだものです。
 父親は、木工では、本職以上の、名人級の人でしたが、ある時、側で見ていたら、
「うーん、気に食わないが、こんなところで、良しとするしかないな」
 と言ったのです。
 それを、偶然、側で聞いた私ですが、なるほど、そう言うことか、工作では、出来具合に見極めが必要なんだ、と、初めて気付きました。
 それまでは、例えば、送信機の配線作業で、その半田付けが、一寸でも、うまく行かない時があると、気に入らなくて、すぐに、やり直していたものです。
 ところが、その、やり直しが、必ず、うまく行くとは限りません。 
 やり直し作業の過程でも、また、ミスが出てしまう事があるのです。
 そうすると、最後は、何回も半田ゴテを当てますから、その熱で、高価な部品が駄目になってしまい、また、秋葉原まで、買いに行く事になってしまいました。
 その結果を見て、これは、やり直しをしなければ良かったなあと、ひどく後悔した事がありますが、もう後の祭りでした。  
 そんな経験を何度もしてたので、父の言葉を、すぐに理解することが出来たのだと思います。
 父の言う、工作の見極めに気付いてからは、どんな工作でも、60点位の出来であれば、その結果に、満足することにしました。
 当然、やり直しも、しなくなりました。
 この条件であれば、この位の結果が、妥当な所だと、見極めるようになったのです。
 自己の技術的レベルや、使う工具、材料などを考慮すれば、そこから得られる結果は、ある程度予測出来ます。
 即ち、結果を見極めて、そこにある程度、近づいたら、合格とします。
 完璧は求めないことが、肝心です。
 この考え方をしている限り、工作で、うまく行かず、疲労困憊することはありません。
 今回の工作ですか? 65点位だと思います。  
 さて、このブログも同じで、毎日書いていると、自分でも、出来の悪い時は分かります。
 でも、仕方ないです。
 どうしても、気が乗らない時は、あるものです。 
 自分としては、1週間に一度、うまく書けたなあと思うものが、あれば、満足することにしています。
 出来の悪いブログの場合は、後で、よく読んで、修正しています。 
 ですから、最初、アップしたのと、数日後では、殆どのブログで、異なっています。
 さて、人生も、工作に似てるかなと思います。
 うまく行かない時が、あります。いや、沢山、ありました。
 古稀になった私の人生、今、返ると、失敗と後悔ばかりです。
 点数にしたら、そうですね、40点位かも知れません。
 残念ながら、60点の合格点に届きません。
 でも、そんな自分に、もし、人生の最後で、言葉を掛けるとすれば、次のような言葉だと思います。
「ともかく、毎日、何とか悩みと向き合って、何とか、お前なりに、下手な生き方でも、生きて来たから、それでいいよ。生きて来ただけで、もう十分立派。
 よく死なずに、生きて来たものだ。それで、いい。そう、生きて来ただけで、もう十分だ。お前は、よく頑張ったよ」
 輝かしい結果は何もありませんが、人生、懸命に生きて来た事は、確かですので、私は、そんな私に、心から、労いの言葉を掛けたいと思います。


   
俳句


棚作り 父の言葉を 思い出す