上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

モンパルナスのキキ

 囲碁は大学一年の時、覚えた。
 その後、40歳位まで碁会所に通ったりして、まあ、人並み程度に熱中していたものだ。
 やがて、仕事が忙しくなったから、段々と、囲碁から遠のいてしまった。
 それでも、時間があれば、本屋で囲碁の雑誌を立ち読みしたり、日曜の囲碁番組などを見たりはしていた。
 もう自分で対局する事は無かったが、囲碁への興味は失っては居なかった。
 ところが、退職して、暇な時間が出来たのに、殆ど囲碁を打つ事は無かった。
 気付くと、既に、囲碁への興味を失っていたのである。
 何時だったか、公園脇の老人センターに行った事がある。
 どんな施設なのか、試しに見学に行ったのである。少し早過ぎたと分かったが。
 それで、その施設の中に、碁会所があった。
 それで、一寸、囲碁を打つ気になった。
 ところが、囲碁に負けた相手が怒り出したり、文句を言ったりしたので、アホらしくなって、センターに行くのをやめた。
 その時が、我が人生で、囲碁を打った最後の時だったと思う。 
 だから、最近は、先日の、井山裕太さん七冠、の記事を見ても、その内容を読む気にもならなかった。
 それにしても、何かに対する興味とは面白いものである。  
 あんなに熱中してた時代があったのに、今は、何も感じないのである。
 我ながら、実に、不思議である。
 アマチュア無線の方は、未だに少しだけ、興味は残っている。
 元々、工作が好きだから、全く、興味を失う所までは、まだ行ってない。
 それでも、最近の電離層の状態が悪くて、交信が出来ないから、トランシーバに手を触れる機会は、ひどく少なくなっている。
 麻雀も学生時代にやる機会は、いくらでもあったが、何故か、熱中する事は無かった。
 パチンコも、一時期だけ、二ヶ月位か、その後、一切、興味を感じた事は無い。
 競輪、競馬、ボートもやる機会はあったが、したいとは思わなかった。
 そもそも、金儲けに興味が無かったからかも知れない。
 ところで、この、好きとか、興味とか、これは、一体、何なのだろうか。  
 例えば、私はアマチュア無線が好きだが、どうして好きなのか? と、問われた時、明確な答えが思い浮かばない。
 気付いたら、アマチュア無線に熱中していた、と言う事だから。
 どうも、熱中するのに、理由は無いのかも知れない。
 でも、アマチュア無線のお陰で、人生が楽しかったから、興味とは有り難いものである。
 煎じ詰めれば、それに対する「興味」とは、「欲」と言っても同じことだ。
 アマチュア無線への興味と言うのは、電子工学や通信工学をもっと知りたい、と言う欲でもある。
 人間は欲の塊などと、言うけれど、それは、また、興味の塊でもある訳だ。
 さて、ある著名な医師が、悪性の癌に罹った。 
 もう、あと僅かと言う時に、親しい友が、病床を訪れた。
 その、最後の会話の中に、欲という言葉が何度も出て来た。
 ベッドに寝たままの医師は、見舞いの友に話しかける。
「もうね、死が近づくにつれてさ、どんどん、自分の欲が消えて行くんだよ。美味しいものを食べたいとか、金が欲しいとかは、真っ先に消えた。今は、ラジオで教養講座を聴くだけが、唯一の欲だよ」
 医師だから、自己の終焉は、はっきりと分かっていたに違いない。  
 死に臨むと、人間は、全ての興味が喪失して行くものらしい。 
 逆に言えば、全ての興味が、喪失した時、死は成立するのかも知れない。
 俗に言えば、娑婆への興味、欲を失った時、人間は、死ぬのかも知れない。
 そう言えば、私の父は、
「おれはね、もう生きていても仕方が無いんだよ」と、言った。
 あの言葉は、今にして思えば、父が、娑婆に対する、全ての興味を失った、と言う宣言だったのだ。
 その言葉から、一ヶ月後、ある朝、父は亡くなった。
 具合が悪い所は、何も無かったが、死んでしまった。
 だから、当時、私は、自殺だと思ったものだ。今でも、そう思っている。
 ところで、芸術家は、割と長生きする人種らしい。勿論、全員という事は無い。
 それは、やはり、興味とか、欲を生涯にわたって持ち続けるからだろう。
 画家なんて良いなあ、実に羨ましい。
 若いピチピチギャルをモデルにして、その裸を見ながら、毎日、絵を描いて、時々、筆を休めて、そのモデルを口説く。
 話が、まとまれば、早速、その場で、懸命なる運動を始めて、心地良い汗を流す。
 こんな毎日ならば、誰だって、長生きしたいと思うだろう。その願望こそが長生きの原動力になるのだ。
 かの藤田嗣治も、そうやって、モンパルナスのキキを描いて居たんだ。
 と言う事で、人間は、何でもいいから、興味を失わず、欲を持って生きる事が、長生きの秘訣のようですね。 
 断捨離は結構な事ですが、物は捨てても、精神的な興味と欲は、捨てないようにした方が良いと思いますよ。
 物事に対する、興味と欲がある限り、この世は、あなたの人生は、何時までも楽しいと思います。
<上州無線さん、現在、一番の興味はなんですか?>
<それが、減りつつあるんで困ってる。だから、今までは無かった、新しい対象にも興味を持たないとね。新しいピチピチギャルなら、いくらでも興味、持てるんだがね。今は、英語の本を読む事位かな。あとは、ピチピチギャルからのコメントが来ないかなあ、と思ってるよ>
<あの、上州無線さんの長生きの秘策は何ですか?>
<だから、上の記事の通りだとおもうね。個人的には、毎朝、体操して血流を良くする。早寝遅起きかな。一般的には、生きる目標の無い老人に、生きる希望を持たせて上げる事が、何と言っても、一番大切だよ。そうすれば、自然と長生きする筈だよ。老後の人生でね、何もする事が無い、と言うのが、一番精神的に良くないんだ。それが鬱病の原因だと思うよ> 
<では、どうすれば、生きる希望が持てて、長生き出来るようになりますか?>
<うーん、余り公表したくないのだが、一つだけ、ものすごく効果的なのがあるよ。それはだな、60歳以上の男性に限り、痴漢犯罪を全て無罪にするのだ。そうすれば、毎日、好きなだけ、ピチピチギャルのお尻を触れる事になる。これは、生きる希望の無い老人にとって、とても大きな希望になる事、間違い無しだ。すると、毎日楽しいし、誰だって、長生きしたいと思うはずだよ。結果、長生きすることになる。これこそが、最も効果的な、最高の秘策だと思うね> 
<で、女性老人の方は、どうなりますか?>
<えっ、女性だって? 忘れてた、うーん、女性は、美味しいものさえあれば、長生きするんだから、秘策なんて不要だよ> 



俳句


長生きを してもする事 何も無い