上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

記憶回路

 猫は、二階のベランダから、えいっと、上に放り投げても、いとも簡単に、下の地面に四つ足で、無事に着地する、と言う。
 私の実家に、猫は沢山居たけれど、とうとう、やった事は無かった。
 万一、怪我したら、可哀想だと思ったから。
 その後、中学に入学したら、手にした理科教科書の裏表紙に、猫の高速度撮影の写真が載っていた。
 即ち、二階から投げられた猫の体勢を、連続分解写真で提示してあったのだ。
 その写真を見ると、猫は、投げられた瞬間から、既に自分の体勢が、どうなってるいるかを把握し、大地との方向を確認出来ているように思える。
 それから、少しずつ、自分の身体を捻り、上手く四つ足が大地に接するように身体の向きを修正している。
 これは、ある特定の猫に出来る事では無くて、全ての猫で、可能な事である。
 と言う事は、脳に於ける、この反射神経の回路が、コンピュータで言う所の、ROMになっているという事である。
 ROMとは、Read Only Memory の事。
 要するに、生まれつき、脳に記録されてる記憶である。それは、書き換える事が出来ない性質のものである。
 殆どの動物の脳は、大体が、すべてROMで出来ている。
 だから、生まれたばかりのキリンの赤ちゃんは、ほんの数時間後には、歩く事が出来るのである。
 それは、キリンの赤ちゃんの脳に、どうすれば歩けるか、その方法が、既に詳しく書かれているからである。練習の必要が無いのである。
 これに対して、人間の脳は、かなり違う。
 勿論、人間の脳にも、ROMは、生命に関する重要部分などを初めとして、かなりの領域に存在する。
 しかし、その他に、コンピュータで言う、RAMと呼ばれる記憶領域が、他の動物に比べて、ダントツに、ずば抜けて多く存在するのである。 
 RAMとは、Random Access Memoryの事であるが、この記憶は、学習行動によって、その内容を書き換える事が出来るのである。
 書き換え可能が、RAMの特徴である。
 さて、人間の赤ちゃんは、生まれてから二足歩行が出来るまでに、大体、一年位は、個人差は存在するが、要する。
 キリンの赤ちゃんや、その他の動物の赤ちゃんとは、大違いである。 
 一年間の間に、ハイハイや、伝い歩き、何度も転ぶ中で、歩き方を学習して、そうして、やっと、ある日、人間の赤ちゃんは、歩けるようになるのである。
 少しでも歩けるようになると、実に、感動的でしたね。涙が零れるほどです。
 家の娘ですが、長女は一年も経たない内に歩きました。次女は、長く長く長くハイハイしてから、やっと立ち上がりました。
 次女が、余りにも長くハイハイしているので、私は、
「ねえ、もうハイハイ止めて、早く起き上がろうよ」と、毎日、何度も話しかけたものです。
 その小さかった次女は、遠くに行ってしまって、老いた父は、毎日、寂しい思いで暮らしております。
 戯れに、次女のハイハイを真似して、遠き日を偲んでいる私は、何なんでしょうか。
 ところで、猫に二足歩行を教えても、恐らく、人間のようには出来ないです。
 と言うのは、二足歩行は、意外と複雑で難しい現象だからです。
 うんと簡単げに見えますけども、ロボットなどで、二足歩行をさせると、これがなかなかうまく実現出来ないのです。
 まあ、二足歩行のロボットは、今は、一応、出来てますが、その歩き方は、見れば分かるように、やはりロボットらしい歩き方しか出来ません。
 猫の脳には、十分な大きさのRAMがありませんから、歩き方のノウハウを記憶する領域が無いので、いくら練習しても、その成果を記憶出来ない、従って、いつまで経っても歩けないのです。
 勿論、足の構造の違いもありますが、それは、また、別の話になります。
 人間の脳には、沢山のRAMがあるので、複雑な歩行データを容易に記憶出来るので、一年程度は要しますが、歩けるようになるのです。
 このRAMこそが、人間をして、人間たらしめているのです。
 即ち、練習をして、その成果を記録し、大抵の事は、出来るようになるという事です。
 例えば、練習すれば、人間も四つ足で、動物のように、かなりの速度で走る事が出来るようになります。   
 泳ぎも、練習すれば、魚には敵いませんけれども、それなりに早く泳げるようになります。
 魚は早く泳げますが、それは生まれつきであり、練習しても、早く泳げるようにはなりません。
 もっとも、魚自身も、今更、泳ぎを練習しようなんて、夢にも思わないでしょうが。
 とは言え、魚に、全く、練習した行動の成果が無いかと言われれば、そうでもありません。
 それは、多少のRAMは、存在しますから、僅かでしょうが、それなりの進歩はある筈です。
 ライオンなども、子どもライオンは狩りが下手ですが、母ライオンの狩りを見たりして、成長するに及んで、狩りが、とても上手になります。
 これは、ライオンにRAMが存在してる事を、明確に物語っています。 
 さて、もう、お分かりのように、人間の呼吸などは、ROMに書かれています。ですから、呼吸の練習はしなくても、生まれて、すぐに出来ます。
 生まれたばかりの赤ちゃんが、オギャーと大声で泣けるのは、何百万年前の祖先から受け継いだ、生命の神秘を司る、ROMのお陰なのです。
「いいか、お前は、生まれたら、すぐに大泣きするんだぞ。そうして、まず、肺に酸素を入れるんだ。まずは酸素が必要だから」
 推測すれば、こんな事が、生命のROMに書いてあるんだろうと思います。
 と言う事で、本日のブログは、終わりです。
<上州無線さん、今日のブログは、科学的事項だけなんですか・・・> 
<何だ、偶には、いいではないか。それとも不満かね?>
<はい、科学的事項だけだと、まるで興味を持てない人も居ると思うのですが>
 以下は、時間が無いので、ごく簡単に述べる。 
 男の性感は、殆ど、生まれつきである。
 だから、何も練習しなくても、素敵な女がいれば、いや、素敵で無くても、とにかく性交すれば、即、誰でも、すぐに快感を得られる。
 これは、男の性感が、ROMに記憶されてるという事です。
 練習しなくても良いのだから、素晴らしいように思えるが、これが、実は、悲しい事なのだ。
 即ち、生まれてから死ぬまで、快感は、ずっと下降直線となる。数学で言う、単調減少関数である。微分がマイナスですね。
 即ち、歳と共に、年々、快感は低下していくのだ。
 これは、どうする事も出来ない。
 対して、女性は、最初は、少女の頃は、大した快感は無いが、練習すれば、いくらでも、その快感の程度は大きくなり、その到達回数も飛躍的に伸びる。
 その昔、青井が、付き合ってる女に電マを教えたら、夢中になってしまったと言うのを聞いた事がある。
 女性は、意欲的に練習すれば、いくらでも性感が開発されるのですね。
 要するに、男の性感は、ROMに書いてあり、女性の性的快感は、ROMとRAMの両方に書かれていると言う事です。
 だから、確かめた事は無いが、女性は、十年もセックスしないでいると、即ち、練習しないと、恐らく、ほんの僅かな快感しか得られないと思う。
 それは、RAM部分の性感の記憶が消えてしまうからだ。
 と言う事で、女性は、セックスしなくなると、どんどんセックスから遠ざかってしまう事になるんだね。
 男の方は、十年振りでも、全く性欲は変わらない。
 まあ、歳を取るから、快感は少なくなるが、それでも、ちゃんと快感は、ある筈だ。
 そう言えば、昔、飲み屋の婆さんが、「あたしはね、もう忘れたよ」と言っていたが、あれは、今思うと、女性の正直な告白だったかも知れない。
     


俳句


練習で キスも上手に なりました