上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

名案

 忘れ物とか、落とし物は、ひどく残念である。
 下の娘が小さい頃、家族で旅行した。帰りの電車を降りて、暫く歩いたところで、娘が、「あっ、あたし、忘れたあ!」と叫んだ。
 既に電車は、ゆっくりと動き出していた。娘は、お土産を置き忘れてしまったのだ。ひどく落胆した顔をしていた。
 今でも、覚えている位だから、私自身も、娘の気持ちを思い、ひどく落胆した。
 もう20年以上も前の事だ。
 まあ、電車の落とし物だから、多分、駄目だと思ったから、警察にも届けなかった。
 さて、知人が落とし物をした。それで、もしかしてと思い、警察に行ったら、運良く、それが誰かに拾われて届けられていた。
 応対した警察官が言ったそうである。
「この方にお礼をして下さい。電話番号は、これです」 
 確かに、他人様から親切にしてもらったのだから、自分から進んで、お礼はしたい。
 でも、それは警察官が指示するものなのだろうか。
 私は、一寸、何か妙な気がした。
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遺失物法第28条
物件の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格の100分の5以上100分の20以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
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 確かに、法律はあるらしい。でも、何だかなあ。
 子どもでは無いのだから、大の大人が、お礼を指示されるのは腑に落ちない。
 条文を見ると、「・・・しなければならない」とあるから、一応、義務なんだろう。でも、罰則は無さそうだから、お礼をしなくても、特に、どうと言う事は無いみたいだ。
 まあ、とは言え、実際、拾って届けてもらったら、私も感謝し、お礼はするつもりです。
 さて、わざわざ拾った物を警察に届ける人に、悪い人は居ないとは思うが、それでも、全く知らない人と会うのも、何か、不安を感じる。
 最近の世相を新聞や週刊誌等で推測すると、中には、悪い人も居るからだ。
 この辺は、どうだろうか。
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 ある若い女が、携帯を拾って警察に届けてくれた男の人に電話した。
「あの、お礼をしたいんですが、何処でお会い出来ますか?」
「それなら、私の家へ来てくれますか」
 謝礼品を持って、男のアパートを探して当てた。部屋のドアをノックした。ドアがゆっくりと開いた。
 男の顔が見えた。同時に、男の腕に大きな入れ墨が見えた。思わず、息を飲んだ。
 その瞬間、ものすごい力で、部屋の中に引きずり込まれた。 
 後は、ご想像にお任せします。
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 松本清張さんなら、きっと、これをネタに、何か素晴らしい推理小説を書くんでしょうね。
 うーん、そう言うことであれば。
 私も、よく行くモールに財布か何か落としてみるかな。
 そうすれば、後日、これを切っ掛けとして、拾ってくれた可愛い娘さんと仲良くなれるかも知れない。
 うん、これは名案だ。
 いや、・・・止めときます。
 拾い主にお礼に行って、その人が、とんでもない男や女だったら、取り返しが付かなくなる。
 皆様、落とし物は、くれぐれもしませんように。
 


俳句


ミズナラの 枝揺らす風 秋来たり