上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

天下無敵の美脚

 私は、おっぱい、乳房には、殆ど関心がなかった事を前に書いたが、人によっては、乳房にすごい関心を持つ人も居るらしい。
 また、胸では無くて、指とか、下着に関心を持つ人も居るようだ。
 英語で、フェティシズム(fetishism)。性的倒錯と訳される。(下線はアクセント)
 そういう傾向のある人を、フェティシスト(fetishist)。拝物性愛者の訳を当てている。心理学用語なのだと思うが、如何にも仰々しい言葉だ。
 しかし、そんなに異常な行動でも無いと思う。
 要するに、好きな女性と関連あるものに興味を持つという事で、それは雄なら、珍しい事では無い。
 とは言え、新聞で、時々、見るような下着泥棒になると、これは正しく、異常の域に入ってしまう。
 ずっと以前の事だが、私が、担任をしていた女生徒のパンツが何度も、物干し台から消えた。盗まれたのである。
 なかなか可愛い女の子だったから、ファンがいたのだろう。
 ひどく心配して、とうとう、女子生徒の母親が私に面会を求めてきた。
 母親が言うには、パンツ犯人は、その女の子を好きな男の子に違いない、と言う。
 確かに、正論である。何の関心もない者が、パンツを盗む訳は無い。
 「先生、クラスの男の子で、誰か、心当たりはありませんか」と言う。
 例え、心当たりはあっても、これは迂闊に言う訳には行かない。間違ったら、大変な事になってしまうからだ。
 私が、「うーん、分かりませんね」と言うと、期待していた母親は、かなり落胆した様子を見せた。
 最後は、警察も巡回してくれると言うので、暫く、様子を見ようという事になった。
 話が一段落した所で、ソファから立ち上がった母親が、如何にも口惜しそうな表情で、ふと呟いた。
「その犯人ですけど、ほんとに憎らしいんですよ。娘と同じ場所に干してあるのに、私のパンツは盗んで行かないんですよ。ちゃんと、区別して居るみたいなんです。夜中なのに、すごいです」
 そんなの、当たり前だろう。男の常識である。
 誰が、おばさんのシミパンツを、好んで盗んで行くものか。
 私は、何とも返事のしようが無く、黙って何度か頷く振りをして、応えた。
 話が脱線した。
 さて、今まで、私には、フェティシスト的な傾向は無いと思っていた。
 ところが、最近、何か、変化が起きたらしい。
 ある日、何かで、ものすごく綺麗な脚の写真を見た。勿論、男のでは無い。
 生まれて初めて、女性の脚に美を覚えた。ただ、ただ、美しいなあ、と思った。
 今までにも、女性の脚を見ていたけれど、それはまあ、単に、本能的に、性的に、そう強い意識は無くて、漠然と見ていたと思う。
 今回のは、性的意味以上に、純粋に、美の感動を感じたのである。
 こんなに美しい脚を持つ女性が存在する事に、驚嘆した。 
 以来、その写真をデスクトップに貼って、毎日、眺めている。美しいものを見るのは、元気も出るし、心も癒やされる。
 それにしても、もっと早く、女性の美脚に関心を持てば良かった。
 今更ながら、遅すぎて、うんと後悔している。 
 思い出すと、老妻も、現役陸上選手の頃は、かなりの美脚だったと思う。
 ところが、今回みたいに、美の感動を感じる事は無かったです。
 どうしてだったのか、全く分かりません。



俳句


美しき 脚の間に 街見える