上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

深夜のカタストロフィー



 街中で若い女性を見ると、一陣の爽風を感じる。
 どうしてかな。あれは何故なんだろう。
 何をしていても、どんな格好、どんな仕草をしていても、男を惹きつけて離さない。
 離すもんか、絶対に、だ。
 若い女の髪の毛には巨大な象も繋がると言う。昔からの言い伝え。
 でも、まさにそうなんだ。
 男の脳には地球40億年の記憶が記録されている。
 そこに、命の系譜が書いてある。
 若い女を見たら、とにかく、追い掛けなさいとね。
 だからだよ、若い女に惹かれるのは。
 悲しいけれど、男は追い続けて見続けて、そうして、あの世に逝く生き物。
 困ったね。古稀青年としては、若い女なんかに負けてたまるかって。
 不思議な事に、自らが若い時は、若い女なんか何とも思わなかったのに。
 次から次へとやって来る女にはウンザリしてた。
 自分が若かったからだろう、女の若さなんて気にも留めなかった。
 いや、若いだけでは魅力にならない。やはり、そこに本物の女が無いと。
 若さと本物の女が合わさって、稲光みたいな魅力になるんだ。
 それで本物の女ってのは何だ?
 それは表現出来るもんじゃ無い。いいか、体の芯で、それで女を見るんだ。
 両腕で抱きしめないと本物の女かどうかは分からない。
 若い女は夜空のオーロラ。掴まえようとしてもゆらゆら揺れ動いて逃げて行く。
 だから、男は追い掛ける。男は追い掛けてる事に人生を感じる。
 夢中で追い掛けなくなったら、もう死んだ方がましだ。それはもう男では無いから。
 ある時、シャワーが終わったら、ベッドで女は寝てしまった。
 そんな女は、もうバイバイさ。音も無くドアを閉めて、さよなら。
 女は何時だって、男を夢中にさせないとね。それが出来る能力を持ってんだから。 
 ミニスカートの世界は、男の宇宙空間。白い腿は銀河の流れ。
 さあ、早く来いったら、待ち切れないよ。そんなスカートなんか捨てちゃいな。
 暑い夏の午後には、何も無いのがよく似合う。向日葵の暑苦しさはご免だね。
 夏の夜には窓下に潜んでいるよ。大丈夫ならショパンの即興曲を聞かせてくれ。
 そしたら、窓からすぐに乗り込んでやるから。
 うん、そうやって何度も逢ったんだ。窓の台木は擦り切れていた。
 風が吹くと、窓に楠の枝が当たって、小さな音を立てた。
 誰か来たとかとビックリしたよ。女はさっと本棚の陰の隠れちゃった。
 日が去り、何時しか、その窓から、ショパンの曲は聞こえなくった。
 幻想即興曲だ。あの子は高校生で、それが弾けたんだよ。
 もしもピアノが弾けたなら・・・これは大学の時の女。
 いつも恋をすると、不思議に伴奏曲が登場する。
 それが恋のテーマミュージックになるんだ。
 そうして、別れる時も、その曲が心の中に流れている。
 でも、印象はまるで違うけどね。 
 最後の恋のバックミュージックは?
 カーペンターズ、Yesterday once more。
 あの女が好きで、いつも歌ってたよ。
 最初に逢った時も、別れた時も、だ。涙は流していたが。
 あの曲は今でも苦手だ。
 公園を歩いていたら、近くの喫茶店からあの曲が聞こえてきたんだ。
 忽ち、目の前が曇ったね。こんな所で音楽なんか流しやがって。
 とにかく走った、走った。聞こえなくなるまで遠くに。
 その女だけど、もう中年の女でさ、若くなかったのに、いい女だった。
 だから、本当にいい女は、歳は関係ないんだ、と知った。
 優しい、柔らかいチーズみたいな女だった。
 いや、本当にチーズだったんだ。お前なんかに分かるもんか、いい女が。
 さて、飲み終わったから、今夜は失礼するよ。
  



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