上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

法定伝染病


 ゴキブリの季節になりました。英語名はCOCKROACH(ックローチ)。普通は略してーチです。夏になると、我が家も20匹位は出るかな。
 先日、居間に出まして、老妻とコラボですか、ハエ叩きで挟み撃ちしました。
 元陸上選手で腕力自慢の老妻が二度パンチを見舞うと、ゴキさんも簡単にダウン。更に一発。もう大丈夫だから、と言ったのに、その私を無視して更に一発、二発。
 ゴキさん、もう粉々でした。よほど、ゴキさんが憎らしいみたいです。まあ、ゴキブリで無くてよかったです。
 もしかすると、誰かを想像して叩いているのかな。いや、考えすぎでした。
 戦後まもなくの子ども時代は、ゴキブリを見ない日は無かったです。とても匹数は分かりません。真っ黒な群れになって、あちこちの床を行進していましたから。
 それは私の家だけでは無かったと思います。
 母は毎日、ゴキブリを踏み潰していました。今、考えると、不衛生極まりないですが、当時は全く気にもならなかったです。母は農家の娘でしたから、ゴキブリなんて当たり前だったんでしょうね。
 ハエも沢山居ました。それも想像すら出来ない位の群れです。今は、一年に一匹、見るか見ないかです。 
 近くの店で買って来たガムテープみたいのを天井から、ぶら下げておくと、それにハエが黒い塊となって張り付いてました。
 で、御飯食べてると、間違ってハエも一緒に食べてしまうんです。それも珍しくなく。
 御飯にハエがくっ付いているから、そのまま口に入れてしまうわけ。勿論、気付けば捨てて食べません。でも、気付かす、どの位食べてしまったかは、今では知る由もありません。
 さて、今でも忘れられない恐怖物語があります。 
 それは私が中学三年の夏休み。
 家で昼飯食べてました。おかずは漬物だけ。でも、同じ味に飽きて来て、テーブルにあったソース掛ければ、少しは美味しくなるかと、ふと御飯に掛けたんです。
 ソース御飯、とても美味しかったです。(今はマヨネーズ御飯ですから、余り変化無いですね) でも、食べたら、口の中で何かが、モゾモゾと沢山、動いているような感じがしました。
 何だろう? こりゃ、何か妙だなと思って、試しに吐き出すと、皿に何か白い小さなものが沢山見えました。
 よく見たら、ハエの白いウジでした。ハエの幼虫だね。ソース瓶の中にハエのウジが湧いていたのです。それに気付かず、掛けちゃった。まあ、一々、点検はしないから。
 昔は賞味期限なんて書いてないから、無くなるまで長く使ってました。
 たまげました、さすがに。でも、ハエのウジは魚釣りによく使っていたから、ウジ自体は、怖くも何でも無い。でもね、さすがに人間様が食べるもんじゃあ無いです。 
 早速、母に抗議しました。母だけの責任では無いけど、何か怒鳴りたくなって。
「ウジが入ってたよ。死んだらどうするの。衛生には気をつけてくれないと」
「それ位で死ぬなら、死ねばいいよ。気をつけてるから、今まで子どもを死なせた事は一度も無いだろ」
 私の抗議は全く、受け付けてもらえませんでした。
 でも、母の言う事も一理あるんです。近所では、母親の不注意で子どもが亡くなっていました。その子は遊び友達でした。何か腐敗したものを食べて、その後、赤痢にやられたようでした。(赤痢は法定伝染病。当時は怖かったです)
 戦後は、子どもの死亡例は多かった。衛生環境が悪すぎた。だから、母としては死なせずに子どもを育てているのは、自慢できることなのです。
 母のお陰で私は死なずに古稀まで生きられました。もしかすると、ウジを食べたので、免疫力が強化されたのかも知れません。
 母は料理も上手でした。食材が何もない時代、工夫して美味しい新案料理を作ってくれました。キャベツに餡かけした、「とろり新左衛門」は今でも記憶にあります。名前は私が命名したのです。
 老妻と比べてはいけないのですが、老妻の料理が普通位とすれば、母の料理は五つ星と言うところでしょうか。(訂正 老妻三つ星) 
 立派な母でしたが、唯一の欠点は、農家育ちなので、余り衛生面に気をつけないという事。まあ、農家だと、どうしてもそうなりますね。
 ですから、私は中学生の頃から、肝に銘じました。絶対、農家の娘とだけは、一緒にならないぞと。
 でも、やはり、人生、うまく行きませんでした。
 衛生に関心が無いのは、同じく農家出身ですから、老妻も母と同じです。なので、今では私が家の掃除したり、食器を洗っています。
 私が食器を洗うようになったのは、老妻が全く洗わずに、食器を食洗機にどんどん放り込んでいたからです。すぐに食洗機が故障してしまうのです。見るに見かねて、私が全部、食器を洗うようになりました。
 老妻は仕事がなくなって、とても喜んで、テレビなど見ています。 
 この他に、御飯も、いや、キリが無いから、この辺で。


俳句

ウジ食べて お陰で元気 感謝なり