上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

反復学習 

 我が家を改築した時、洋式トイレにした。和式より何かと便利だと思ったからである。 しかし、私が立ったまま用を足すと、意外と広範囲にその影響が及ぶと分かった。 跳ね飛びである。何時だったか、新聞でもその記事が掲載されていた。
 不衛生と言うことであれば、座るしか無い。それで、以後は、面倒だが、座ってションをする事になった。
 実は、これが大間違いであった。私の一生の不覚となった。今でも、痛恨事として、その記憶は少しも褪せていない。
 そこで、後輩諸氏に警告の意味で、その真実をお伝えしたいと思った。
 連日の猛暑で、何処まで理路整然と論理を立てられるか、一抹の不安があるけれど、後輩諸君のために、気力を振り絞って書いてみよう。
 なお、この論文は、女性の方には、極めて難解、また殆ど関係の無い記事である。 なので、これから先は、読まれても、然したる利益は無いと思う。美味しいケーキでも食べた方が宜しい。
 さて、座ってションするとなると、今までとは、些か違った方法で対処する事になった。まずは、パンツを全部下ろさなければならない。これが死ぬほど面倒であった。
 立ちションであれば、息子をパンツの脇、または窓から引っ張り出せば済んでしまう。 至極簡単な作業である。この方式だと冬でも寒くは無かった。
 とは言え、此処までは面倒だけの話である。深遠なる問題は、まだまだあるのだ。
 パンツを下ろしてトイレに腰掛ける。すると、息子は既に仰角45度位になっているのだ。男と言うものは、尿意を催すと、多少、息子は、いざ出陣でも無いのに上を向くのである。いわゆる、半勃ちと言うものである。(はんだち、半立ちとも)
 これは、例の朝立ちの原因でもある。朝立ちとは、文字通り、寝起き時に、当人には断り無く、勃起していることである。
 即ち、一晩溜まった尿量が、息子の中枢神経を刺激して、奮い立たせるのである。
 この朝立ち現象だが、実は、健康観察上、極めて重要なものである。
 還暦以下の男性が、1週間、朝立ちが来ない場合には、内臓疾患、精神疾患を疑う必要がある。健康な男子であれば、皆、朝立ち現象は訪れるからである。
 (古稀の私ですらも、ほぼ毎日、これは起きている)
 以上の理由によって、排尿した瞬間に、尿意は消失する。すると、忽ち、息子は風船のようにしぼんでしまう。
 極めて悲しいことだが、これが、この世の厳しい現実である。何事も期待などしない方がいい。
 江戸川柳に、あさまらや しょんべんまでの いのちかな とある。
 さて、座った時に、半勃ちした息子の45度仰角は、極めて都合が悪いのである。 そのまま発射すると、2メートル位、ションが便器の外に飛んで行ってしまうからだ。 これは、実に困ったことである。
 そこで、どうしたかと言うと、用を足す度に、仕方ないから、上を向こうとする息子の頭を手で押さえつけた。いいか、下を向いているんだぞ。こうするしかなかった。
 これにより、ションは便器の中に命中する。跳ね散りも無く、万事、目出度しとなった、筈であった。
 ところが、世の中、そう甘くはなかった。
 ここから先は、余り書きたくないが、後輩諸君のために、意を決して書く事にする。 事実を報告することで、世の多くの男性を救える事になるのであれば、その方が良いからだ。
 さて、このやり方で、座りションにしてから、五年ほど過ぎた。何事も無かった。
 ところが、である。ある日、極めて重大な悲劇的事実に遭遇したのだ。
 いつもの様に、トイレに行き、パンツを下ろして座った。息子の頭を抑えようと、手を出したが、そこに息子は居なかった。はて、これは如何したものか?
 不審に思い、下を見ると、息子は、遙か下方でうな垂れていた。何と、手で押さえる必要がなくなっていたのだ。
 この現象は、要するに、行動心理学で言う反復学習の結果である。
 息子は毎回、押さえつけられるものだから、もう頭を上げないと、自ら決心してしまったのである。息子の決心は、トイレの場合だけに限れば、抑える必要が無いので、極めて有意義であり、便利だ。
 だが、息子には、単純な水道ホース機能の他に、更に、厳粛かつ重大な役目がある。その役目を果たせなくなったら、男の一生は終わりである、と言っても過言では無い。
 致命的事実に気付いた日以降、密かに心配してたら、案の定、いざ出陣、戦闘開始の現場に於いても、反復学習の成果が出てしまったのである。
 息子は戦うことを止めてしまった。これには焦った。こんな事になるとは夢にも思っても居なかった。
 確か、50歳になる頃だったと思う。そこで、緊急措置として、翌日から、また、元の立ちションスタイルに戻した。頭を抑える事は一切、止めた。
 今度は、毎日、上を向いて歩こう、と激励し、何度も持ち上げた。
 しかし、五年以上にわたって押さえつけて来たものだから、息子を立ち直らせるのは、文字通り、至難の事であった。  
 半年ほどして少しは回復したが、時、既に遅しであった。五本指の法則通りとなった。(注1) それは、若き頃の垂直の絶壁には、ほど遠いものがあった。  
 座りションは衛生的には良いかも知れないが、男にとっては命取りになるという事である。
 今からでも遅くは無い。座りションをしている世の諸君は、息子を抑えつけるのだけは止めた方がいい。
 ともかく、他の方法で対処する事だ。上体をできる限り、前に倒すとか、である。そうで無いと、取り返しの付かない一生の後悔をすることになる。
 蛇足だが、バイアグラなどは止めた方がいい。私の先輩もそれで亡くなっている。 元々、心臓の薬である。血圧を上げすぎて、逝ってしまうようだ。
 自然状態で駄目になったら、潔く、男を廃業して撤退することが肝要である。
 なお、私自身は、今のところ、極めて健康であり、実践力は50代と余り変わらない。これも、座りションの弊害に、いち早く気付いたお陰と思っている。
 しかし、今現在は、座りションである。古稀青年は抑える必要が無いからである。
 結論として、50歳以下の男には立ちションが最善の姿勢であり、最も健康的だと私は思う。
 しかし、男の都合ばかりを言うのではなく、不衛生なのは確かだから、家族と忍耐強く話し合って、どちらのスタイルにするかを決めた方が良いかと思われる。
 それで、座りションを洗濯した場合は、勃起衰弱を招かないように留意されたい。
 頑固に立ちションを主張して、家族分断、崩壊となるのは、些か愚の極みであろう。

追記
  生まれつき精力が強くなく、勃起力も弱いので、息子の頭を押さえつける必要が          ない人の場合には、私の上記の説は無用です。
  人間の体質は、個人差が激しいです。この論文はあくまでも、私個人の経験によ                るものであることをお断りしておきます。
注1 
         片手の法則とも言う。掌を開いて、小指を下にして掌面を垂直した時、親指が            20歳台の勃起角度、以下、順に、小指が60歳代の勃起角度となる。若い時は、          ま るで信じなかったが、自らが還暦となるに及んで、初めて、この厳粛な事実に遭          遇 し、真摯に脱帽した。
       密かな言い伝えは、真実であるものが多いようである。 

           俳句

健康で 日々を過ごせば 至福なり

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