上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

特技はあれだ


 父は骨太で大きな体格をしていたが、風邪引きやすかったり、頭痛、肩凝りなどが持病だった。
 その父から、有り難くも、私は風邪と肩凝りを頂いた。(笑)
 具体的には扁桃腺肥大である。このため、冬など、寒い風邪を吸い込むと、もう扁桃腺が活動開始、腫れて熱が出て来た。これが、50歳位まで続いたから、よくよく参った。実に有り難くないものをもらったものである。肩凝りの方も、まあ、父ほどでは無かったが、受け継いで苦労した。
 頭痛はない。私は頭痛を経験した事が、今までに一度も無い。
 経験した事が無かったのは、他にもある。
 虫歯には、なった事がない。
 幾つかの歯を失ったが、虫歯では無い。馬鹿な歯医者のせいである。
 水虫もやはり50歳位まで知らなかった。その後、少しだけ出来た。
 便秘は60歳で退職するまで一度も無かった。
  しかし、退職してから、運動不足のせいか、軽い便秘になる事が、一時、あった。それは運動で解消した。あっても一日が限界だった。
 さて、そんな父親だったから、よく肩凝りのマッサージを小学生の頃から頼まれた。
 毎日、父親を揉んだ記憶がある。肩叩きも頻繁にやった。
 父から疲れやすい体質を受け継いだ私は、高校で体を壊してしまった。以後、父に言われて、時々、マッーサージ屋さんに行く事があった。一度だけ、ある日、マッサージ屋さんに行ったら、父が既に先に来ていた。
 父も私も笑ってしまった。
 後で、父は母に言ったそうである。
「変な場所で、息子と鉢合わせしなくて良かったよ」
 父の冗談である。勿論、父は私と違って大真面目な人間だったから、間違っても、そんな場所で会う筈は無かった。
 私ですか? まあ、世間標準の男だと思います。
 それで、何度もマッサージ屋さんに通ったので、すっかりマッサージの技術を会得してしまった。
 これは、なかなか意味のある事であった。
 と言うのも、後年、多くの女性から、ものすごく慕われたのは(←単なる錯覚です)、このマッサージ、即ち、手技のお陰であったからだ、と思うからだ。
 私と付き合った女性は、暫くすると、皆、デートの時に、マッーサージをせがむようになったものだ。
 マッサージは疲れを取るし、暗かった気分が明るくなるから、誰でもマッサージはしてもらいたいのである。
 でも、マッサージは、やる人は、かなり疲れるから、誰しも余りしたくはないものだ。
 ところが、私は生まれつき、父親譲りの人並み外れた太い腕で、腕力も握力もあり、極めて、マッサージをするのに向いていた。
 何しろ、私は、小学校6年の時、前橋市全小学校の体力検査があり、その腕立て伏せの部門で、29回を記録して、市内小学生全体で一番の成績だったのだ。
 さて、マッサージをすると、付き合った、どの女性も大喜びでした。
 マッサージは相手の体を触る訳ですが、この触る事で愛情も増すようです。スキンシップは本当なのです。また、逆に恋の終わり頃になると、不思議に、マッサージはしなくなります。
 私も、マッサージしたくなくなったし、相手も、また、希望しなくなりました。マッサージをしなくなると、もう恋は終わりに向かっていました。
 しかし、今思うと、もしかすると、相手の女性は、マッサージをしてもらいたいと言うよりも、好きな男に体全体をスキンシップしてもらいたかったのかも知れません。
 だって、若い健康な女性が、逢う度、そんなに肩凝りしますか? しないでしょ? まあ、偶には凝るとしてもね。
 いえ、女性の事は、古稀になった今でも、何も分かりません。

    俳句

柔らかき 体に沈む 我が手見る