上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

効かない


 先日のブログで、医者の悪口云々から、以前にした手術を思い出しました。
 五年前位、軽い鼠径ヘルニアの手術をしました。その手術後の猛烈な痛みは、今も鮮明です。鼠径ヘルニアと言うのは、脱腸の事。子どもの頃、よく悪口で使うのが流行ってました。今はどうかな。
「お前の母ちゃん、でべそに脱腸、おまけのくそったれ!!」
 ですから、脱腸と分かった時は、かなり恥ずかしく、手術をした事は、隣近所は勿論、知人にも言ってないです。
 何でなったのか、全く見当も付かない。柔道かな。現在でも脱腸になる原因は分かってないそうです。私のは鼠径部の右。
 ある日、偶然、100円玉位のほんの少しの盛り上がりに気づいた。半年位して、何かの折りに、それが脱腸であると認識。病気だと分かると、やはり、早く治したいと思い、近くの病院へ。
 医者曰く、放置しても大したことは無いが、いずれは手術する事になる。それならば、早めにやっちまおうと、一ヶ月後に手術台に乗りました。
 久しぶりの手術は、やはり緊張しました。すぐ傍らで若い外科医はラジオ体操をして、準備運動してました。まあ、切る方は気楽です。
 で、最初、硬膜外麻酔で行く事になりました。まず腰に麻酔注射して、それから冷たい物を当てて効きを見る訳です。
「これ、冷たいですか?」と若い麻酔科医。
「冷たいです。はっきり分かりますよ」と私。
 五回位、同じ会話が繰り返されて、とうとう新米らしい麻酔科は諦めたようです。
「あのう、すみません、全麻にしますが、いいですか?」
 もう手術台に裸で乗ってる訳ですから、すぐに承諾。こんな場合でも断る人って、居るんですかね。 
 と、すぐ側の可愛い看護婦に気づいた。何とか会話したいと思いました。こんな場合でも、男は男なんです。
「あのさ、麻酔ってどの位で効き出すの?」
 毎回、同じ質問されるのか、可愛い彼女、患者扱いに慣れているようです。
「そうね、じゃあ、勘定してみてえ」
 まるで幼稚園児を相手に話しているようでした。 
「ひとつ、ふたつ、みっ・・・」
 あとは覚えてない。よく効くもんです。
 ふと呼ばれる声で目覚めました。手術終了。すぐに病室に戻されました。
 此処までは快調。しかし、暫くすると、全身麻酔が切れて、猛烈な痛みが下腹部に襲来しました。
 看護婦を呼んで痛み止めの処置をお願いしましたが、手術後、すぐには出来ないとの事で、我慢するしかありませんでした。暫くしたら、飲み薬をくれましたが、何も効きません。
 約二時間、激痛に呻いていました。こんな病院、二度と来るもんか。 
 二時間位経つと、漸く、痛みは引いていきました。助かったと思いました。老人ですから、痛みでショック死する事だってありますからね。
 総合すると、若い不慣れな麻酔科医が激痛の原因だったかも知れません。
 通常は、手術後も痛みが来ないように処置する筈ですから。実際、背中の大きな脂肪を全身麻酔で摘出した時は、一切、痛みを感じた事は無かったです。
 それにしても、手術は楽しくないです。でも、古稀青年ですので、いずれ、また何かの手術をすることになると思います。やれやれです。
 因みに、手術の前は不安ですが、1週間位前になると、覚悟が決まり、それからは不安を感じることは無かったです。手術室の中は興味があったので、色々と余裕で観察してました。まな板の鯉になると、もう恐れや不安は感じません。
 ですから、手術は思ったよりは平気です。何かの参考になれば。
     
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病室の 窓から見える 赤城山