上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

危機一髪


 長女の保育園は、郊外に新築されたので遠かった。自宅から利根川を渡り、保育園に着き、そこから、逆方向の勤務校に向かって、再び走った。距離だけ優に一時間位は掛かった。
 なので、毎日、勤務校には遅刻ギリギリになった。朝一番で行けば、間に合うかというと、そうでは無い。保育園の門が閉まっているからである。
 特に、雨の日は弱った。車が渋滞するので、猛スピードで走れないからである。
 それでも、最初の頃は、遅刻は出来ないと思い、毎朝、必死の覚悟で疾走した。
 ある日、交差点を通過したら、何と、私の直前を不意に車が通り抜けた。正に危機一髪。
 とんでもない車だ、あの野郎、赤信号無視だ。怒りに燃えて、ふと信号を見たら、何と自分の方が赤であった。
 あの時、死んで居ても不思議は無かったです。そうすれば、このブログも書くこともなかったでしょう。
 しかし、これには、さすがに、ひどい恐怖を覚えた。勘違い、間違いは誰にも起きるものだ。特に、急いでいる時は、その確率が高くなる。
 翌日から、無謀運転は一切禁止し、安全運転に変えた。それと、どんな場合でも急がない事にした。
 すると、どうなったか。雨の日は確実に遅刻した。10分程度だが。その他の日でも5分位遅れる事があった。それは渋滞が曜日に依って変化するから。だから、週に4日位、毎朝、遅刻となった。
 でも、その頃は、もう覚悟していた。上司から文句言われたら、「すみません、無理です」と居直るつもりであった。
 スピード出して、私と娘が死ぬのは、どうしても避けたかった。また、事故で相手も死ぬかも知れない。それなら、遅刻の方を選ぶという事である。
 しかし、一年間、毎朝、遅刻したが、管理職は一度も私に文句を言わなかった。
 当時の管理職はとても立派だった。勿論、これは私だけの感想でしか無い。
 それで、自分が管理職になった時、若い子持ちの職員が多く居たので、赴任すると、すぐに言った。
「朝、保育園の送り迎えで忙しいと思います。雨の日は大変です。私も経験があります。でも、遅刻しないようにと焦ってスピードを出すと、即、それは事故に繋がります。大変に危ないです。ですから、スピードを出さないようにしましょう。お子さんの、また、ご自分の命の方が大事です。ゆっくり、ゆっくりと走って出勤して下さい」 
 本当は遅刻しても構わないよ、と分かり易く言いたかったが、それが曲解されて伝わると、面倒なので、その言い方は避けた。
 誰でも、子育て時代は大変である。でも、その時代こそが家族の黄金時代、もっとも家族が輝いている時代なのです。
 まあ、子育て真っ最中の人は、私の言葉を信じない人が多いのは仕方ない。
 だって、毎日、大変だもんね。


       俳句

事故るより 遅刻の方を 選びます

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