上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

手を振る末娘


 三十代の終わり頃、毎朝、出勤時に末の娘を保育園に送り迎えをして居た。お寺さんが経営する保育園だった。駐車場で少し待ってて、保母さんの出勤がして来たら、そこで、三歳の末娘を預けて、それから勤務先に向かった。
 ある時、学校行事があるので、朝早い時刻に学校に行かなければならなかった。 それで、時間的に保母さん達が来るのを待っている訳に行かなくなった。
 しかし、わずか三歳の末娘を一人で置いてくるのは、とても不安でした。さりとて、妙案がなくて困りました。
 仕方なく、三歳の娘を保育園のドアの前に置いて、先生はすぐ来るから、此処で待っているんだよ、と言いました。
 車で去りながら、末娘の方を振り返ると、ドアの前に脚を投げ出して座って、去りゆく私に手を無心に振っています。少しでも待っていようと、そこで止まっていましたが、保母さんの姿はまだ見えませんでした。
 已むを得ず、時間が来るので走り出しました。
 ところが、少し走り出すと、もう心配でたまらなくなりました。何しろ、お寺の保育園で周辺は、余り人の往来もない場所です。保母さんが来るまで、30分以上はあります。
 そうは言っても、引き返すと、大事な大会に遅刻してしまいます。弱りましたが、心と身は引き裂かれて半分となりました。そのまま勤務先に行き、仕事をしましたが、もう一日中、心配で駄目でした。
 なんて馬鹿な事をしたもんだと思いました。妻に頼むべきでした。
 夕方、末娘の笑顔を見て、本当に、ほっとしたものです。
 それからは、どんなに忙しい状況であっても、末娘を一人で置いて来るような事は、二度としませんでした。今、思い出しても、当時の切ない気持ちが蘇って来ます。
 普段、余り意識しませんが、やはり父性愛というのも、本能としてあるんですね。 
 
  
     俳句

手を振って さよならしてた 末娘


×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。