上州随筆俳句

 長くアマ無線をやってきましたが、一昨年、電信愛好家のためにパソコンによる電信自動送信装置「CWBOARDKK」を作りました。
 本ブログには、アマ無線の活動及び古稀世代の色々な方面について、感じたままの随筆と俳句が書いてあります。
 

一番幸せな時代


 小さな十字路の信号で止まっていたら、目の前を長いスカートを引きずりながら、5歳位の子が一生懸命に歩いて行く。きっと、お母さんが大きめのスカートを買ったんだろな。子どもはすぐに大きくなるからね。
 末の娘の小さい頃の雰囲気と、とてもよく似ていた。末の娘もああやって、長いスカートを引きずっていた時期があった。もう何十年も前の事だが。
 子供達が成人して、家を出て行ってしまうと、子どもが小さい時代、もっと一緒に遊べば良かったと、つくづく後悔したものだ。
 家族旅行は、何とか都合を付けて、随分と沢山、行った。沢山行った筈だが、余り記憶に残っていないのは、どう言う訳か。
 偶に行く旅行よりも、毎日、もっと色々と遊べば、良かったのかも知れない。
 ともあれ、子どもが居なくなって、初めて、家族の一番輝いていた時代、それは子どもが小さい頃だったと、はっきりと認識した。
 朝から晩まで子育てに振り回されていた頃、その時代を楽しいとは一度も思わなかったが、そうでは無かったのだ。
 古稀位になると、その事実は、更に一層、はっきりと胸に染みてきます。
 赤ん坊が夜泣きして、連日、不眠のまま、勤めに行く日もあったが、あれだって、いいか、一番幸せな時代だったんだ。
 子どもが小さい頃こそ、家族が、もっとも、家族らしい雰囲気の時期なのである。
 古稀位になると、その事実は、更に一層、はっきりと胸に染みてきます。
 そんな思いをずっと抱いていたから、校長になって新しい職場に行くたびに、部下の諸君には、最初に、その事を告げた。
「子育ては大変な苦労だけどね、その時期こそ、実は、家族が一番幸せな時代なんですよ。多分、今は、皆さん、そう思えないかも知れないけど、過ぎ去ってみると、そうなんですよ。だから私の言葉を信じて、今の、子育て時代を是非、楽しんで下さいね」
 それから、必ず、もう一つ、付け足した。
「それとですね、例えば、卒業式や学習参観など、本校の行事と同じ日になったら、自分の子どもさんの方を優先して結構です。自分の子どもを大切に出来ないようでは、他人様の子どもさんも大切には出来無いと思いますので」
 これは、以前から、よくあった話だが、教員は、自分の子どもの入学式や卒業式の日が勤務校のそれと重なってしまい、そのため、自分の子どもの卒業式などに参加出来なかったのである。
 私はこれを、良くない慣習だと思っていた。だから、せめて、自分の学校だけでも、その慣習を打破したいと思っていたのである。
  

     俳句

庭先の 長きスカート 何時の日か

浜辺にて 走り回った 我が娘